最近、NPSという指標が注目されています。
NPSとはどういったものなのか、NPSを測定することでどのような示唆が得られるのか、NPSを測定したあとはどのような行動につなげるべきなのかを簡単にまとめました。
NPSとは
NPSとは、Net Promoter Scoreのイニシャルを取った言葉です。
日本語では「顧客推奨度」などと訳されることがあります。
簡単にいうと、「顧客は自社の商品(サービス)をどのくらい好んでいるのか?」ということがわかります。
では、NPSを測定するには具体的にはどのような手順で行うのでしょうか?
NPSを測定する際は一般的に下記のような質問をします。
NP
Sからわかること
NPSでは、財務諸表からは読み取れない数値を表わせことができます。
それは「利益が良いものか?悪いものか?」です。
良き利益と悪い利益の違いとはなんなのかについてまず整理します。
良き利益とは、顧客の熱心な支持によってもたらされるものです。こういった顧客は商品やサービスに対するロイヤリティが高く、他者へ広める役割も担っています。
顧客でありながらもまるでマーケティングや営業のような機能を果たすのです。
一方、悪い利益は顧客を犠牲にして得られます。
「本当は利用したくないんだけど、やむを得ず利用している。」「心の中でが良いサービスだと腹落ちしていない。」などの場合です。
このような場合はこの顧客から拡散効果を見込むのは難しいでしょう。
まとめると、NPSでは顧客のロイヤリティを測ることができます。
そして、ロイヤリティが高ければ顧客は自社の商品やサービスを拡散し、複利的な利益を享受することができます。
NPSを効果的に利用するには
NPSを測っただけではただ知的好奇心を満たして終わりです。
ではなく、NPSを把握して次にどんなアクションをするかが重要になります。
ざっくり要点をまとめました。
経営陣こそ重視すべき
経営陣、CEOが個人的にネット・プロモーター・スコアをきわめて重要なことであると受け止め、優先事項として挙げていることが大切です。
クローズド・ループをつくる
顧客フィードバックを組織全体の主要な意思決定プロセスに組み込み、学びと改善を繰り返す「クローズド・ループ」を回すことが大切です。
なにか特別な部署の責任やプログラムとしては扱わず、日々の優先事項の中に組み込まれています。
長期的に取り組む
短期的なプログラムや取り組みとして取り組むのではなく、企業文化の変革と成長に至る長期的な道のりとしてネット・プロモーター・スコアに取り組むことが大切です。
部署のような特定の場所にとどまらず組織全体としてNPSに取り組むという意識が必要です。
参考文献
本記事は下記書籍を参考にしています。
まさにNPSを実施した・しようといしている企業の担当者は読むべきだと思います。
本書のタイトルの原文が「The Ultimate Question」なのもいいですね。

ネット・プロモーター経営 顧客ロイヤルティ指標NPSで「利益ある成長」を実現 [ フレデリック・F.ライクヘルド ]