近年、コンサルティングファーム業界は高級文房具と揶揄されることが多くなりました。
理由は、人材派遣会社と働き方が似てきているからです。
その具体例として「客先常駐」という働き方があります。
それでは、果たして本当に人材派遣と同じなのでしょうか?
実際にコンサルファームに勤務している私が思うことを書きます。
Contents
コンサルティングファームと人材派遣会社のビジネスモデルは同じ?
コンサルティングファームにとって最もウエイトを占めている費用とはなんでしょうか?
最もかかる費用のひとつに「人件費」が挙げられます。
モノを仕入れて売る卸やモノづくりをする製造業と違って、コンサルティングファームではヒトが商材となります。
コンサルタントが各クライアント先に価値を提供することで、ビジネスが成り立っています。
そのため労働力(コンサルタント)が最も重要な仕入れ商材となります。
そして、ご存知の通り人材派遣会社もまさしく同じビジネスモデルです。
正社員なのか派遣社員なのかの差はあれど、収益・費用を生む仕組みはほとんど同じだと考えて問題ないでしょう。
結局は仕事内容の難易度の程度に差があるだけで、ビジネスモデルはコンサルも派遣も同じなのです。
ビジネスモデルのみならず、働き方まで似てしまっている原因が「客先常駐」にあるのです。

客先常駐の働き方について
コンサルティングファームや人材派遣では「客先常駐」という勤務形態があります。
客先常駐:クライアント先に派遣されて働く勤務形態
私は以前転職エージェントで勤めていたことがあるのですが、
転職者は口を揃えて「客先常駐だけは嫌だ」と言っていました。
そこでなぜ客先常駐が嫌がられているのかを知る上で参考になる動画を見つけました。
客先常駐型の勤務をしている方は一度こちらを見てみてはいかがでしょうか。
さて、ではこの動画で解説されている客先常駐をやめたほうが良い理由3つとは?
①単純労働
客先常駐では単純作業が与えられることが多いです。
なぜか?
単純労働はクリエイティビティ性はないものの時間がかかる作業だからです。
(要はめんどくさい作業)
そういった作業は外注されることが多いです。
この単純労働に従事するものは時間と対価に給料をもらうようなものであり、スキルも何も身につきません。
例)IT業界
IT業界ではよく「テスト」の工程が外注されます。
テスト・評価とは・・・
設計通りにシステムやソフトが動作するかをテスト・評価する仕事。資格がなくても挑戦しやすいが、正確さとスピード、根気強さが重要。
テストというのは間違い探しのような作業であり、高度なパソコンスキルは必要ありません。
結果的にスキルも上がらないわけです。
②年収が上がらない
仕事は10個くらいのステップで構成されているとすれば、任されるのはそのうちの数ステップのみです。
誰でもできるような最初の数ステップをずっと行うわけなので仕事の質は低いです。
そのため年齢を重ねてもできることの範囲は狭いままとなります。
そういった人材は市場価値が高まりません。
そのため、年収が上がりません。
③客先差別
日本にはいじめという文化があります。
(集団を形成するときに蔑むべき人間を決める。)
職場では必然的に客先常駐で来ている人が差別的な扱いをされることが多くなります。
結果的に常駐している社員は差別的な扱いをされることでどんどん気力を削がれてしまいます。
コンサルティングファーム業界の客先常駐
個人的に、②「年収が上がらない」③「客先差別」はあまり実感することはありません。
しかし、①「単純労働」はコンサル業界でも実際にある話だと思っています。
コンサルティングファームに就職を考えている方は一度求人票の「勤務地」を見たほうが良いでしょう。
勤務地が「東京都 他関東圏内」や「客先」などと書いてある場合は100%客先常駐があります。
客先常駐を全否定するつもりはありませんが、このような実態があるのは事実です。
コンサルティングファームとSIerの違いについて思うこともまとめたので御覧ください。