本記事では「GRIT やり抜く力」の感想を書きます。
まずこの本を読み、率直な感想としては、
「啓発書よりも学術書に近い」
というものです。
著者が心理学者だからなのか、各トピックはしっかり研究の結果というエビデンスに紐付いており論理的に展開されています。
なので、読むのにかなり骨が折れました・・・。
本書で心に引っかるワンフレーズがありました。
それは、
圧倒されると「才能がすごい」と思ってしまう
というセンテンスです。
ニーチェは次のように述べたと言います。
「芸術家の素晴らしい作品を見ても、それがどれほどの努力と鍛錬に裏打ちされているかを見抜ける人はいない。
そのほうがむしろ好都合と言っていい。気の遠くなるような努力の賜物と知ったら、
感動が薄れるかもしれないから。」
私たちは芸術に限らず、圧倒されるような業や作品などを目の当たりにした時、
「とんでもない才能だ」や「きっと生まれた環境がよかった」と思いがちです。
それではなぜそう思ってしまうのか?
「才能のおかげ」と思い込むことで心の負担を軽減できるからです。
本当はとんでもない量の努力の賜物だとしても、
才能のおかげであると解釈することで「自分にはできない・関係ない」という壁を作るのです。
本書を読んで私はそう解釈しました。
あの有名なエジソンも昔は先生に「劣等生」のレッテルを貼られていたと言います。
しかし、こんなにも人類を変えるような発明ができたのも自然界と向き合い続けた結果なのではないでしょうか。
この事実は「継続は力なり」ということわざにも通じるものを感じます。
これから何かを目の当たりにした時簡単に「才能のおかげである」と思わないように注意していきたいものです。