行動経済学という言葉をご存知でしょうか?
私は恥ずかしながら最近知ったのですが、簡単にいうと「人間の不合理性を追求する学問」です。
つまりは人間の意思決定にはどういうメカニズムがあるのかを研究対象としています。
これを知ることは企業の営業活動等に応用できるのではないかと思い、入門書としてふさわしい本書を読みました。
お金の不思議①:相対性
例えば家を購入するときと、スーパーで野菜を購入する時の2パターンを考えてみる。
家を購入するときは巨額の買い物になるので数百円程度の差は気にならないと思います。
しかし、スーパーで野菜を買うときは1円単位でどちらが安いのかを考えてしまう。
これが「相対性」である。
人は大きな買い物になるとよく考えずに決断してしまうことが知られている。
お金の不思議②:支払いのタイミング
高級ディナーに行ったときを想定する。
現金orクレジットカードで払うと仮定したとき、どちらの方が不快感が大きいのかという問題である。
答えは「現金」だ。
その理由として、消費と支払いのタイミングが同時だからというものがある。
消費するタイミングで「今まさにお金が減っている」と感じさせる仕組みだと人は不快感を感じ消費を抑えるようになる。
例をあげれば電気メーターは使用電気量が表示されるが、料金を表示すれば電力消費は抑えられるのではないかという仮説もある。
お金の不思議③:心の中の”財布”とは?
「心の会計」とはお金が用途ごとに、別々の財布に厳格に分けられていると思ってしまうことだ。
ここでポイントが例に挙げられている。
つまり、ポイントとは心の中に別の財布を作る手段になる。
このことによりポイントであれば贅沢品とも交換することもあるが、
現金化されてしまえば贅沢品と交換することはなくなり違う用途に使われるだろう。
まとめ
今回はお金にまつわる不思議についてを抜粋し、簡単に紹介させていただきました。
本書にはまだまだ面白い理論がたくさん盛り込まれており、「行動経済学」の初学者にはおすすめの一冊です。
人の行動原理の研究は実生活と結びつけて考えると本当に意義のある学問だなあと感じます。
コメント
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