抽象化という言葉をご存知でしょうか?
これは簡単に言うと、「単純に考える」という意味です。
物事を単純に考えることで本質を把握でき、その本質はほかの事例に転用することが可能です。
では、そんなビジネスに役立つ「抽象化」について学んでいきましょう。
Contents
抽象化思考とは
そもそも抽象化とはなんのことでしょうか?
抽象化とは「物事を単純に考えること」です。
では抽象化はなんのために必要になるのでしょうか?
それは「限られた知識の応用範囲を広げるため」です。
噛み砕いて言うと、例え知らない事象に出くわしてもいままでの経験を抽象化して本質を見抜くことで解決できるようになるからなのです。
まさに数学の公式などがいい例です。
ここでは「九九の暗記」を例に出しましょう。
7×8 という簡単な掛け算を解くことになったとします。
本来であれば7を8回足すから「7+7+…+7 = 56」という解き方になるかもしれません。
しかし、私たちは日常で「しちは56」という公式を暗記しているためすぐに答えを出せます。
これと同じく、過去の事象を抽象化して公式化することで未知の事象に対峙することができるのです。

抽象化に必要なポイント
では、抽象化とひとくちにいってもどのようなステップで行っていくのが望ましいのでしょうか?
順に見ていきましょう。
モデル化でシンプルに考える
シンプルに考えるツールための有効なツールに「モデル」があります。
モデルとは、事象の持っている本質的な特性のみを切り出して単純化したものです。
モデル化という概念を用いる分野として挙げられるのが自然科学の分野です。
例として、「ものが落下する」という事象のモデル化を考えてみます。
この物理的事象には、そのものの質量と重力定数が支配的に作用することがニュートンの万有引力の法則によってわかっています。
したがって、「石が山から落下する」のも「ボールペンが机から落ちる」のもこの万有引力で説明することが可能となります。
事象は違えど本質的なモデルはおなじになるのです。

アナロジー(類推)で考える
アナロジーとは、異なる領域のものの間での共通点をきっかけに1つのことから他のことを類推して考えることを指します。
なぜこれが大切なのか?
それは「表面上異なる問題が複数あっても同じ原因やメカニズムで発生している場合、解決に役立てることができるから」です。
解決策を1から考えなくてもよく、効率化が図れます。
異なる複数の事象があったときでも、本質的に同一である部分を探し出すのが非常に大切なことであると言えます。

抽象化思考の訓練法とは?
いままで紹介した抽象化思考ですが、いきなり鋭い抽象化をするのは難しいです。
そのため、日々練習をする必要があります。
練習方法をいくつかご紹介します。
要約する
練習法の1つに「要約する」という方法があります。
例えば、観た映画の内容を誰かに30秒で伝えるなどです。
おすすめは、
- ブログを書く
- ツイッターで発信する
というやりかたです。
特にツイッターは140文字という制限があるので要約するにはうってつけのツールです。
なぞかけをする
なぞかけは日本の伝統的なアナロジー能力開発ツールです。
なぞかけとは、一般的に
「〇〇とかけて△△と解く」
「その心は?」
「✕✕」(おちがくる)
というスタイルです。
つまり、〇〇と△△という異なる事象から✕✕という共通点を探すという遊びなのです。
例えば、ことらがいい例です。
紅葉とかけまして恥じらいの顔と解きます。
その心は
答え
どちらも一面真っ赤にそまります。
紅葉と恥じらいの顔とは一見全く異なる事象ですが、「真っ赤に染まる」という共通点がありました。
このように物事の類似した部分を見つけるのは大切です。

まとめ
ビジネスに限らず抽象化志向は役に立ちます。
問題の本質を見抜き、ほかの問題に転用することは日常でも起こりうる話です。
抽象化志向は普段から練習することで鍛えることができます。